2011年度TOP画像


2011年12月15日更新・
NO.107(2011.11.15)
 JALの機内にて。2011年11月2日撮影。JALの機内雑誌『スカイワード11月号』に大分特集が載った。文章は品川雅彦さん、写真は名取和久さんで、くにさきの六郷満山を中心とする特集だが、その第1頁は小崎夕日岩屋からの水田景観である。この日は、奇しくも大分県立歴史博物館で、「国東半島荘園村落遺跡詳細分布調査」の会議と現地視察があった。「田染荘小崎の農村景観」は、この調査によって価値が見出され、保存されることになったものだが、そんな経緯はどうでもよい。多くの人が理屈抜きで感動してくれることがうれしい。             

2011年11月15日更新・
NO.106(2011.10.15)
 田染小崎のカカシ。2011年10月9日撮影。昨年8月重要文化的景観「田染荘小崎の農村景観」選定から4つのシンポジウムが行われて、本日は2回目の収穫祭。初めてカカシコンクールが行われた。黄金色に実った田んぼの畦に作品が並べられている。遠目には人が立っているように見え、獣害、鳥害に本当に役立っているようだ。写真は優秀作品の「えっさ・ほいさ」である。北九州市の小学生の作品もあった。荘園領主札の掲示板を見ると、今年は160口となっている。新たな増加傾向に入ったことは喜ばしい限り。           

2011年10月15日更新・
NO.105(2011.9.15)
 新見市菅生の巨大な棚田。2011年8月17日撮影。備中国新見荘の調査では、様々な未知の体験をしているが、これもその一つ。新見荘と多くの交流がある隣接地菅生にある巨大な棚田である。通常棚田は一反歩にも満たないものが多い。ところが、この棚田は上段と下段を併せると1町歩を超す面積を有する。特に上段は8反歩程度の広さがあるのではないか。しかも圃場整備事業は行われていない。近年の圃場整備によって造成される水田はこれより狭い。おそらく面積日本一の棚田といえるのであろう。鉄穴流しの砂鉄採取にともなってできた水田であると聞き、さらに驚く。前近代の鉄生産(大正年代まで行われているが)は、場合によっては巨大な棚田を生み出すものであったのだ。         

2011年9月15日更新・
NO.104(2011.8.15)
 美作両山寺護法祭りの三番触れ。2011年8月14日撮影。岡山県美咲町にある真言宗寺院両山寺で行われる祭り。今年で735回目と言う。中世の修験者が行う護法の祭りを今に伝えている。精進潔斎した「護法実」(ごほうざね)と呼ばれる修行者に神が下って、深夜まず堂内を多くの伴走者と共に超人的なスピードで巡る。次に広い境内に飛び出し、縦横に駆けめぐる。祭りにやってきた多くの善男善女は決してその行く手を遮ってはならない。1時頃ようやく神のお遊びが終了。我々もほっとして宿に戻った。         

2011年8月16日更新・
NO.103(2011.7.16)
 シンポジウム「重要文化的景観と農村の未来−田染荘小崎から21世紀を考える−」。2011年7月16日撮影。昨年8月に重要文化的景観「田染荘小崎の農村景観」が官報告示され、地元豊後高田市、別府大学、九州大学でシンポジウムが開催された。今回、早稲田大学小野記念講堂にて4回目のシンポジウムが行われ、永松博文豊後高田市長の挨拶および経過報告の後、基調講演は早稲田大学創造理工学部教授の佐々木葉氏、入間田宣夫東北芸術工科大学教授が行った。パネルディスカッションでは、海老澤が司会を務め、佐々木氏、入間田氏に加えて、九州大学教授服部英雄氏、別府大学教授飯沼賢司が入った。エントランスホールのギャラリーには、13点の近世村絵図と風景写真多数が展示され、これらを解説するパネルセッションも行われた。田染荘小崎を支えてきた10余名の「在京領主」が初めて集い、記念写真を撮るなど、多くの人の記憶に残るシンポジウムとなった。         

2011年7月16日更新・
NO.102(2011.6.15)
 佐渡北鵜島の車田田植え。2011年5月22日撮影。例年であれば、日本における人文学分野の研究集会として一つの頂点にある歴史学研究会大会に参加するのだが、本年度はちょうど重要無形民俗文化財の田植えが行われる日と重なり、佐渡にわたった。この車田は共同体の中で、最後に田植えが行われる水田で、特別な儀礼が付加された。佐渡島の北部は固い岩盤に覆われたところで、海沿いに集落があり、真後ろの高いところに水田がある。景観がすばらしく、早乙女の詠う田植え歌が海に吸い込まれていくようだ。朝、田主の家の神前に捧げられたサンバ苗を軸として渦巻きを広げるように三人の早乙女が植えて行く。       

2011年6月15日更新・
NO.101(2011.5.15)
 夕暮れの田染荘小崎。2003年6月8日撮影。昨年、8月5日に重要文化的景観「田染荘小崎の農村景観」の官報告示がされた後、8月7日には、地元豊後高田市で「田染荘小崎の農村景観」、11月20日には別府大学で「文化的景観と地域連携」、12月19日には九州大学で「田染荘小崎への招待」と三回のシンポジウムが開催され、(1)田染荘の歴史と重要文化的景観選定の経緯、(2)田染荘小崎の豊かな自然と農業、(3)農家民泊、オーナー制への取り組みなどについて多くの問題が論じられてきた。 今度は、本年7月16日(土)に早稲田大学小野記念講堂でシンポジウム「重要文化的景観と農村の未来」を開催することになった。 日本社会全体の地域活性化問題をこの地に投影して議論を組み立て、田染荘小崎のモデル的価値を明らかにする。特に「文化的景観」が有する社会的資産としての価値にスポットライトを当て議論を深めたい。文化財行政からさらに進んで農村・都市を問わず、人々を惹きつける伝統的景観とは何かを社会環境工学の立場から佐々木葉氏に、田染荘と共通する基盤を有し、「文化的景観」の最前線に位置する一関市本寺との比較を日本中世史の入間田宣夫氏に、それぞれ基調講演をお願いした。       

2011年5月15日更新・
NO.100(2011.4.15)
 工事中の戸山キャンパス。2011年3月24日撮影。耐震設計の見直しから、戸山キャンパスの中心にあった10階建ての研究棟が取り壊され、新たな研究・教室棟が建てられることになった。かつては「国連ビル」等とも呼ばれていた校舎は、私のいる第2研究棟が建てられるときに低層棟の181大教室が除却され、今、高層棟がなくなり、学生時代の面影は完全に消滅した。ニューヨーク・マンハッタンにある国連本部ビルも最近は話題になることが少なくなった。老朽化が進み、改修の必要があるとのこと。写真中央やや右寄りにうっすらと天空に立つスカイツリーは、新旧の校舎が建て替えられる間だけ私の研究室から見えるつかの間の尖塔である。       

2011年4月15日更新・
NO.99(2011.3.15)
 夜明けのスカイツリー。2011年3月12日5時36分撮影。3月11日14時46分、東日本を大地震が襲った。6階の研究室にいたが、次第に揺れが大きくなり、本棚から次々に本が落下。廊下に出るが、余震が収まらず。後片付けをしているうちに、東京は震度5弱であり、東北地方は甚大な被害となったことを知る。この日、停電にはならなかったが、電話は通じず、電車は完全に止まる。早稲田通りを多くの人が徒歩で西に向かう。帰宅難民の人たちだ。幸い、パソコンのネットはつながり、研究室にいて無事だが、今夜は帰れない旨自宅に伝える。やがて、夜明けとなり、コーヒーをすすりながら、窓に浮かび上がったスカイツリーを写真に撮る。この建設中の塔は大破壊を免れた東京を象徴するように立っているが、三陸海岸の状況が次第に明らかとなり、辛い日の始まりとなった。     

2011年3月15日更新・
NO.98(2011.2.15)
  岡山県新見市金子、湯の観音にて。2010年11月27日撮影。本年度「備中国新見荘における総合的復原研究」を開始したが、幸いにも地元の方の熱い協力があり、順調に進んでいる。この地は西方村金子の裏山にあるのだが、夏の調査で重要なポイントであることがわかった。晩秋の頃なら上れるということで、この日村の人たちと途切れ途切れになった道を伝って湯の観音を目指す。確かにランドマークとなる岩盤があり、中には石造の観音像が安置されていた。般若心経をあげて供養したが、さて、いつ作られたものか。誰にもわからなかった。ある人が台座に御神酒をかけたところ、「天明三年十月上旬」の銘文が浮き上がり、驚く。これは明徳2年6月日新見荘西方田畠年貢納帳にある「岩屋観音免」の「岩屋観音」が江戸期に再び彫像されたものであると考えられる。     

2011年2月15日更新・
NO.97(2011.1.15)
  卒業論文の口述試験を終えて。2011年1月22日撮影。新生文学部第一期の卒業生が今年度誕生する。以前は2月の初旬に卒業論文の口述試験が行われていたが、だいぶ早まった。文学部日本史コースの卒業論文提出者は42名。これに第一文学部の19名が加わるが、第一文学部時代の日本史専修よりいくぶん少ない。4年生には、卒論演習という授業があり、夏休みに軽井沢セミナーハウスで合宿を行った。かつて我々が卒論指導を受けたときには、高円寺にある竹内理三先生のお宅に月に一度お伺いし、お茶とお菓子をいただきながら進捗状況を報告するというものであった。学問の厳しさと人間としての温かさに触れることができた。現状は、制度としては整ったのだが、研究の心は伝えられているのだろうか。     


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