「とよあしはらみずほのくに」再考

集落・儀礼・水田の復原研究−対馬とバリ島−

21世紀COEプログラムの水稲文化研究所5ヶ年計画


【集落・儀礼・水田の復原研究−対馬とバリ島−】


 対馬豆酘調査の方法:集落・儀礼・水田を中心とした現地調査の基礎作業として
 (1)文献資料の調査・保存
 (2)空中写 真によるベースマップの独自作成
を行なった。

 (1)は複数の資料保存機関と現地にて実現。(2)は京大・九大などで行なわれている水田復原調査には例がなく、この分野では先端的。


スバック・バサンアラスの調査報告書

この“MONOGRAFI SUBAK”は、80年代前半、活動の顕著なスバックに対して政府が提出させた報告書である。従来のスバック研究よりも格段に精度が高く、日本の灌漑システムなどと直接的な比較を可能とするものである。


スバック・バサンアラス

“MONOGRAFI SUBAK”所載の図面の一部を図式化したもの。中継井堰を多用し、日本では少ないトンネル式の水路がある。天水に頼る度合いが大きかった日本の棚田よりも灌漑技術において優れている。


対馬豆酘の水利

赤米神田を灌漑する約800mのテーンハイ井堰は、この地の水田開発を代表するものであるが、きわめて単純なシステムで、かつ水利組合も存在しない。なお、報告ではベースマップに地籍図・地名・水利灌漑調査の情報を重ね合わせ、復原研究の成果を視覚的に提示した。


東豊後田染の水利

溜池が発達する日本の伝統的村落モデルである。鎌倉期に既に約100haの水田が存在していた。近世には十数ヶ村に分かれていたが、三つの八幡宮によって祭祀が営まれていた。対馬豆酘モデルを補完すべく図式化し、スバック・バサンアラスと比較検討した。


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